子どもに背負わせてしまった原発リスク

レポートNO.91

◆放射能汚染と被曝労働の上に成り立ってきた都市部のエネルギー
3月11日の東日本大震災、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故から7か月が過ぎました。
今回の原発震災で福島を中心とした広範囲に及ぶ汚染と被曝の責任の一端は、エネルギー供給を受けてきた私たちにもあることを忘れてはならないと思います。

◆原発を止めることができなかった大人の責任
これまでの間、東京電力や国による情報隠しや情報操作、対応の遅れが次々にあきらかになり、国民の不信感は高まるばかりです。
未だに収束の兆しが見えず、原子炉から大量の放射性物質が大気中や海へ放出され、人類史上経験のない環境汚染が予測もつかない勢いで拡大を続けています。
甘すぎる食材・食品の放射能検査体制、抜き打ち検査で明らかになった汚染食材の流通、点在するホットスポットの発見、汚染されたがれきや汚泥の処理などさまざまな問題などが明らかになるにつれて、放射能の影響が大きい乳幼児や子どもや妊婦の人たちの外部被曝・内部被曝に対する不安が広がっています。信頼できる細かい情報提供が求められています。

◆全国各地で市民測定室が誕生
国や都が行っている測定だけでは不十分です。
小金井市ではチェリノブイリ事故後の1990年に、市民団体「金井市放射能測定器運営連絡協議会」が市と協定を結び、以来21年間、市立保育園や学校の給食食材や市民が持ち込む食材について、検査を続けています。
セシウムの半減期は30年。今後何十年もの間、放射能汚染と付き合っていかなければなりません。日常的な低線量被曝を少しでも抑えていくためには、できるだけ詳細な情報が必要です。市民自らが測定することで、リスクを把握・判断し、選択購入する機会を得るだけでなく、国や自治体、食品業界を監視することにもつながります。
全国で市民が独自で食品放射能測定室を作ろうという動きが始まっています。

✿国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの放射能測定室「シルベク」
http://www.greenpeace.org/japan/monitoring/?gv20111020

※9月議会の陳情
〔希望者による幼稚園・保育園・小中学校のお弁当持参〕が採択されました。